Dragonfly catcher in the flat / マンションのトンボ捕獲者
早朝。
マンションの階段を降りる。
純粋そうな少年が独り。目が合う。
「こんにちは」、と。
向こうから、こっちがおはようと話しかける前に。
よくしつけられたいい子だなあと思いながらも、まだかなり早朝と心のなかで突っ込み。
お父さんも兄弟もまわりにいない。
虫かごと網を持ってる。夏休みの少年の王道。
でも、もう8月は終わった。
なんとなく、潤んだ眼が呼びかける。
「何獲ったの?」、と思わず。
少年は、恥ずかしそうに、でも誇らしげに
「トンボとバッタ」、と。
おっさん、
「おおすごいなあ」、と。
特段、いい言葉が思い当たらず、話を続ける余裕もなく、そのまま去ってしまった。
あんなとき、なんであんなにぎこちなくなるのか、少年時代、なんて声かけられたら嬉しかっただろうなあ、と思いながら、小さな男の子の純朴さはいいなあと。母性がくすぐられる思い。
もし、母性が本当に女性にあるのだとしたら、ああいう瞬間が堪らないのだろうなあ。
最初の数年があるからこそ、20前後まで育てられると言うが、なんとなく分かる。
こんど、僕の仮説?は正しいのか確認してみよう。
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